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建設業で派遣社員の活用が禁止されている業務と労働者派遣法に違反する行為

建設業界には人材不足という課題があります。この課題を解決するために、人材派遣の利用を検討する事業者は多いでしょう。しかし、派遣が禁止されている業務などの労働者派遣法に違反する行為について知っておく必要があります。

ここでは、派遣労働者についての基本を確認するとともに、建設業において派遣禁止業務に該当する業務や違反となる行為について解説します。

派遣労働者とは

引用元:東京労働局 建設現場で必要な労働者派遣法の知識

 

派遣労働者とは、人材派遣サービスを提供する企業から、業務上の指示(指揮命令)を受ける企業に派遣されて働く労働者のことです。

労働契約は、指揮命令を受ける派遣先ではなく、派遣元となる人材派遣会社と結び、賃金は派遣元から支払われます。派遣先は派遣元と労働者派遣契約を結び、派遣料金を支払います。

人材派遣は、必要な時期に即戦力となる人材を活用できるため、多くの企業で導入されています。

請負との違い

引用元:東京労働局 建設現場で必要な労働者派遣法の知識

 

請負は、請負事業主のもとで、発注企業から依頼された業務を行います。請負事業主と雇用契約を結び、請負事業主から賃金が支払われます。請負は派遣労働と違い、請負事業主から指揮命令を受けるため、発注企業と労働者の間に指揮命令関係が生じません。

また、派遣労働では労働に対して報酬が発生するのに対し、仕事の完成を目的とする請負では、成果物を引き渡すことにより報酬が発生します。

派遣が禁止されている建設現場の業務

建設業務の派遣は、労働者派遣法4条によって禁止されています。なお、労働者派遣法において、建設業務とは「土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務」と示されています。

建設業における具体的な禁止業務は以下です。

 

  • ビル・家屋等の建築現場にて、資材の運搬・組み立て等
  • 道路・河川・橋・鉄道・港湾・空港等の開設・修築などの工事現場で掘削・埋め立て・資材の運搬・組み立て等
  • 建築・土木工事におけるコンクリートの合成や建材の加工など(建築・土木工事現場での準備作業全般を含む)
  • 建築・土木工事現場内での資材・機材の配送
  • 壁や天井・床の塗装や補修
  • 建具類等の壁や天井・床への固定・撤去
  • 外壁への電飾版や看板などの設置・撤去
  • 建築・土木工事現場内での配電・配管工事や機器の設置
  • 建築・土木工事後の現場の整理・清掃(内装仕上げ)
  • イベントなどを行う大型仮設テントや大型仮設舞台の設置
  • 仮設住宅(プレハブ住宅等)の組み立て
  • 建造物や家屋の解体

 

参考:一般社団法人 日本人材派遣協会 https://www.jassa.or.jp/know/law/construction/

 

施工管理など他の業務に従事する目的で派遣された労働者が、空き時間等に上記にある建設業務を行うことも禁止されています。

建設業務で派遣が禁止されている理由

建設業務で派遣が禁止されている理由は、主に2つあります。

 

  • 建設に関わる労働者の安全の確保
  • 建設に関わる労働者の雇用の安定

 

理由1:建設に関わる労働者の安全の確保

建設現場では、元請け会社をはじめ下請けや孫請けなど、さまざまな会社に雇用される労働者いますが、さらに派遣会社に所属する派遣労働者が加わると、指揮命令系統があいまになることが予測できます。すると、労働災害のリスクが高まる懸念が生じます。

また、万が一労働災害が発生した場合、責任の所在があいまいになることが予測でき、労働者本人が不利益を被る可能性が高まります。

理由2:建設に関わる労働者の雇用の安定

建設業界は受注生産が基本です。そのため、労働力の需要は不安定になりがちです。建設業界で労働者派遣が認められた場合、業務量の少ない時期に派遣切りなどが行われ、仕事を得られなくなる労働者が大勢発生することが予測できます。

このような不安定な雇用を防ぐのも、建設業界で派遣が禁止されている理由の1つです。

なお、派遣を禁止する代わりに建設業界では、建設業務有料職業紹介事業や建設業務労働者就業機会確保事業制度が設けられています。次の項目で詳しく紹介します。

建設業務有料職業紹介事業・建設業務労働者就業機会確保事業制度とは

建設業務有料職業紹介事業と建設業務労働者就業機会確保事業制度について解説します。

引用:厚生労働省|建設業務有料職業紹介事業

 

実施計画の認定を受けた事業主団体が、労働力を必要とする事業主と職を求める労働者を有料でマッチングする制度です。契約期間が定められる派遣と異なり、期間の定めのない労働契約が対象となる点に注意が必要です。事業主団体には許可基準があります。

建設業務労働者就業機会確保事業制度

引用:厚生労働省|建設業務労働者就業機会確保事業

 

建設業務労働者就業機会確保事業制度は、実施計画の認定を受けた事業主団体の構成事業主が、自社で雇用している建設業務労働者を、同じ事業主団体に所属する他の構成事業主の建設業務に一時的に送り出すことができる制度です。送りだされた労働者は、元の会社との雇用関係を維持したまま、送り出し先の事業主の指揮命令を受けます。送出事業主には許可基準があります。

建設業で派遣が禁止されない業務

建設業で派遣が禁止されない業務は以下の3つです。

 

  • 現場事務所での事務作業
  • 施工管理業務(工程管理・品質管理・安全管理・原価管理など)
  • CAD/BIM/CIMオペレーター



建設業界で行われる業務は多岐に渡り、「土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務」に含まれない業務もあります。これらの業務は、労働者派遣法に示されている建設業務に該当しないため、人材派遣を利用することが可能です。

現場事務所での事務作業

建設業では事務作業も必要です。建設会社のオフィスはもちろん、工事現場の仮設事務所での電話応対や書類のチェックなどの業務に取り組むこともあるでしょう。

このような事務作業全般は派遣の禁止業務に含まれないため、労働者派遣を利用できます。

注意が必要なのは、工事現場で事務作業と現場作業を兼ねる場合です。現場での作業が、清掃や道具のような軽度のものでも、派遣の利用は禁止されています。

施工管理業務(工程管理・品質管理・安全管理・原価管理など)

施工管理業務とは、建設の施工計画立案と、施工順序や施工手段が計画通りに行われるよう管理監督します。工事に使う資材や部材の品質管理や工事現場の安全管理なども担当します。

施工管理業務の担当者は建設工事のキーマンではありますが、労働者派遣事業関係業務取扱要領(令和6年4月1日以降)には「建設業務に該当せず労働者派遣の対象となる」と明記されています。

 

参考:労働者派遣事業関係業務取扱要領令和6年4月厚生労働省職業安定局 P40

CAD/BIM/CIMオペレーター

建設業を支える人材の中には、コンピューター上で専門のソフトを操作するオペレーターもいます。2次元の図面を作成するCADオペレーター、図面に基づき3次元モデルを作るBIMオペレーター・CIMオペレーターが該当します。

コンピューター上で行う作業は、工事現場で建設作業に直接従事するものではありません。そのため、労働者派遣の利用が可能です。

もちろん派遣労働者が施工管理業務を担当する場合、工事現場の作業(軽作業を含む)は一切行えないため注意が必要です。

派遣禁止業務にあたる建設業務の負担軽減を目指すなら

建設業において、派遣禁止業務に該当する業務の作業負担を軽減したい場合もあるでしょう。そのような場合は次のサービスの利用がおすすめです。

 

  • 現調代行サービス
  • 配管加工サービス

 

これらのサービスの利用により、建設現場での工数軽減などを目指せます。各サービスの内容と、どのような作業が軽減されるかを解説します。

現調代行サービス

現調代行サービスとは、建設工事で必須となる現地調査(現調)の代行するサービスです。

3Dレーザースキャナーの使用により対象物の3次元の位置情報から得た正確な情報を元に、図面化します。現地調査と図面化の工程を短縮でき、人員の省力化と作業負担の軽減につながります。

配管加工サービス

配管加工サービスでは、建築設備資材の加工を実施します。溶接に必要な亜鉛メッキの除去や、適切な形状に加工する開先加工などを実施します。配管加工は、施工の強度や品質に大きく影響します。そのため、精度が高く信頼の置ける専門サービスを提供する事業者への依頼をおすすめします。

配管加工サービスを利用すると、仕上がりや生産性が安定するため、品質が向上し結果的に作業時間の短縮にもつながるでしょう。加えて、作業員の怪我や亜鉛中毒を引き起こすリスクを防げるため、従業員の安全確保にもつながります。

労働者派遣法に違反する事業主の行為

人材派遣を利用する場合は、派遣禁止業務以外にも知っておくべきことがあります。以下は労働者派遣法に違反する行為となるため、注意が必要です。

 

  • 派遣可能期間は3年(第40条の2第2項)
  • 派遣労働者の特定を目的とする行為(第26条第6項)
  • 離職後1年以内に派遣労働者として受け入れ(第40条の9第1項)

 

同じ派遣労働者を、3年を超えて受け入れることはできません。労働者派遣に先立って面接や履歴書の提出を求めたり、年齢や性別を限定するような行為は禁止されています。自社の従業員が離職後1年以内に派遣労働者として受け入れることも禁止されています。

また、以下のようなルールも定められています。

 

  • 労働者派遣契約に関する措置(第39条)
  • 適正な派遣就業の確保等(第40条)
  • 均衡待遇の確保(第40条第2〜6項) など

 

労働者派遣契約に違反することがないよう、労働者派遣契約で定められた就業条件の関係者への周知や、派遣労働者の就業場所の巡回による就業状況の確認といった適切な措置を講じる必要があります。加えて、適切な就業環境の維持などに努めなければなりません。また、自社の労働者と同じように教育訓練を行う必要があります。

まとめ:建設業務の作業効率を高めるなら社外サービスの利用を検討しよう

建設業には派遣禁止業務があります。しかし、人材派遣サービスの利用以外にも業務負担を軽減する方法があります。社外サービスを利用することで、労働派遣法に違反することなく、作業の効率化を図れるでしょう。

三興バルブ継手株式会社では、配管設備資材の販売・納品だけでなく、3Dスキャナーによる図面作成や配管加工サービスも行っております。経験豊富なスタッフが円滑な現場作りを全力でサポートしますので、お気軽にお問い合せください。

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