配管ジャーナルPiping Journal

省人・省施工ソリューション

建設現場の生産性革命を掲げるi-Constructionを解説

少子高齢化が進み、建設業界は深刻な人手不足による生産性の低下に悩まされています。働き手の確保が難しい中、国土交通省は、建設現場でのICTの全面的な活用による生産性の向上を目的としたi-Construction(アイ・コンストラクション)を促進しています。

しかし、建設現場の生産性革命といわれるi-Constructionでは、具体的にどのような施策を促進されているのかわからない方も少なくないでしょう。

そこで本記事では、i-Constructionの概要や施策について解説します。

i-Constructionとは

i-Construction(アイ・コンストラクション)とは、国土交通省により建設業界の生産性を向上するために促進されている施策です。

生産年齢人口の低下や団塊の世代の大量離脱によって人手不足がさらに深刻化する建設業の生産性を、ICT(Information and Communication Technology)の活用によって向上させることを目的とします。ICTとは情報通信技術です。建設現場では、3Dレーザースキャナーや3D CADを活用した3次元測量および設計・施工計画、ICT建設機械による施工などが提唱されています。

i-Constructionを促進することによって、調査から測量、設計、施工、検査、維持管理、更新までの一貫した建設生産プロセス・システム全体を見通せます。製造業などではすでに実装されている同時進行作業や工程の前倒しなどが可能になり、生産性の向上につながります。

i-Constructionのトップランナー施策

建設現場の生産性革命を実行するためi-Constructionでは、次の3つをトップランナー施策としています。

  1. ICTの全面的な活用(ICT土工)
  2. 全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)
  3. 施工時期の平準化

3つの施策について解説します。

ICTの全面的な活用(ICT土工)

ICTを調査から測量、設計、施工、検査、維持管理、更新までの建設プロセス全てに活用することによって、生産性を向上させます。

2021年の国土交通省の調査によると、ICT施工の対象となる起工測量から電子納品までの作業時間について、土工、舗装工及び浚渫工(河川)ではおよそ3割、浚渫工(港湾)では約1割の縮減効果がみられました。
(参考:ICT施工の普及拡大に向けた取組

3DレーザースキャナーやUAV(ドローン)を用いての測量や3D CADでの図面設計、CIMやBIMを活用して管理システム全体の効率化によって、業務負荷が軽減できます。

また、3DレーザースキャナーやUAV(ドローン)を活用することで建機周りの計測作業などが減少し、安全性を確保できます。加えて、ICT建機の自動操作や補助機能によって施工経験年数の浅いオペレーターでも早期に建設現場で作業できます。

全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)

コンクリート工に全体最適の考え方を導入し、構造物の設計や発注、材料の調達、加工、組立など一連の生産工程や維持管理を含むプロセス全体を最適化して生産性の向上を図ります。

土木構造物の代表的な工種であるコンクリート工は、建設現場ごとの要望に合わせて一から設計または既製品をカスタマイズする必要があるため、業務の効率化が困難でした。各構造物で最適化が図られているため、多少のサイズ変更があった場合も改めて設計が必要となり、同じものがスケールできない場合があるからです。

コンクリート工の規格を標準化することにより、工場であらかじめ製造した側溝や管、マンホール、くい、橋げたなどのプレキャスト製品や、事前に溶接加工されて組み上げられているユニット鉄筋などの工場製作化が可能になり資機材の転用によるコスト削減、生産性の向上につながります。

施工時期の平準化

施工時期を平準化し年間を通して工事量を安定させることによって、限られた人材を効率的に活用できます。

公共工事は、単年度ごとの予算に従い、予算成立後に入札契約手続きを行うのが一般的です。そのため、4月から6月の第一四半期には工事量が減り、ほかの時期にまとまることが多い傾向がありました。

施行時期を標準化するために現在では、品確法で施工時期の平準化を図ることが公共発注者の責務として規定されるとともに、入契法において、施工時期の平準化を図るための措置を講ずることが公共発注者の努力義務とされています。
(参考:建設産業・不動産業:施工時期の平準化について - 国土交通省

施行時期の平準化が促進されれば、生産性の向上や建設企業の経営の安定、労働者の処遇改善などを実現できるでしょう。

i-Constructionを推進して生産性の向上を図ろう

i-Constructionを推進すれば、建設現場の作業が効率化して生産性の向上につながります。トップランナー施策に基づき、3DレーザースキャナーやUAV、3D CAD、CIM/BIMなどのICT、および規格が標準化された製品を活用しましょう。

三興バルブ継手株式会社は、配管設備の分野における3Dレーザースキャナーを使用した現地調査代行サービスや図面作成サービスのほか、建設配管資材の加工後の納品にも対応しています。現場では難しい大型配管加工やバーリング、グルービング、亜鉛除去サービスも展開しています。

生産性向上の対策に悩んでいる方はぜひ一度ご相談ください。

配管資材専門店VALVIA(バルビア)