配管ジャーナルPiping Journal

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異常から探る、定水位弁の故障の原因と対策

受水槽や給水槽、貯水槽に取り付ける定水位弁は、常に水位調整を行うため稼働性が高く、その分故障など異常も少なくありません。また、屋外に設置されることもあるため風雨にさらされることもトラブルの原因になる可能性もあります。

この記事では、定水位弁の故障について詳しく説明します。定水位弁の故障の対策も紹介しています。

定水位弁の概要

資料提供:株式会社ベン​

定水位弁は水槽の水位を制御するバルブです。ストレート形、アングル形、各種機能付きなど様々な種類があります。主弁(本体)と副弁(子弁)、パイロット弁(ボールタップや電極棒)により構成されます。

主弁は貯水槽の外部に、副弁は貯水宇槽の内部に設置されています。主弁が槽の外部の配管に取り付けられるためメンテナンスを行いやすいことから、広く利用されています。 貯水槽への給水管の管径がおよそ25mm以上の貯水槽には、ボールタップまたは電極を副弁とした定水位弁が多く使用されています。

定水位弁にかかる負担

定水位弁は、水圧の変化によって弁の開閉が行われます。給水設備が設置される建造物の使用水量にもよりますが、一度に大量の給水があると、水圧の急激な変化による衝撃音(ウォーターハンマー)発生の原因になります。受水槽が大きくなればなるほど、定水位弁による水位制御が重要になります。

こうした使用環境が定水位弁の劣化や故障を発生させることも少なくありません。使用上の安全のために、水道企業体によって、水撃(ウォーターハンマー)防止器の設置を義務付けしている所もあります。

定水位弁の故障と原因

異常から判断する定水位弁の故障と、その原因と対策を紹介します。

オーバーフロー

オーバーフローとは、水量の調整に不具合が生じ水を止めることができず、受水槽からあふれてしまうことを指します。受水槽から水があふれ気付かない場合は、マンション・ビルの場合階下に水が漏れてしまう危険性があります。

オーバーフローの原因には、以下のことが考えられます。

  1. ダイヤフラム室への一次側圧力導入経路のスケール等の目詰まりによる弁閉不良
  2. パイロットボールタップの故障(弁体部の固着・フロート破損)による弁閉不良
  3. パイロット電磁弁制御における電磁弁の作動不良による弁閉不良

1については、清掃を行い、目詰まりを除去します。
2については、清掃を行います。状況が改善しない場合は、ボールタップを交換します。
3については、通常、パイロット配管はボールタップとの組み合わせで使用するため、ボールタップの設置を確認します。

渇水(断水)

水が供給されない場合も定水位弁の故障が考えられます。

  1. パイロットボールタップの故障(弁体部の固着)による弁開不良
  2. パイロット配管やボールタップストレーナ部へスケール等の目詰まりによる弁開不良
  3. パイロット電磁弁の作動不良による弁開不良
  4. パイロット電磁弁の逃がし量不足による弁開不良

1と2の場合、清掃を行います。
3の場合、清掃を行い、改善しない場合は電磁弁を交換します。
4の場合、電磁弁を交換します。

ハンチングや流水音等の騒音

定水位弁のハンチングや流水音等の騒音がある場合も、定水位弁の故障が想定されます。

ハンチング等によるウォータハンマーの騒音、吐水による水面の波でボールタップのフロート上下動(弁開閉)や長い落し込み配管等によるハンチングが起こっていたり、流速が速い場合に弁の閉まり際に発生する騒音がする場合は、水撃防止器の設置を検討します。

構造によって、弁開閉時間調整ねじの調整不良によるウォーターハンマーの騒音がする場合は、ねじとニードルを調整します。

修理交換で定水位弁を選ぶ際は、波浪によるボールタップへの断水給水の影響がない、静かで安定した給水ができる製品が望ましいです。

まとめ:定水位弁の異常を知り早めの処置を

定水位弁は水位制御で稼働性が高く、大規模建造物になるほど受水槽も大きくなるため、制御にかかる負担も大きくなります。定水位弁の異常と思われる現象には、オーバーフローや渇水などの給水異常、ハンチング、流水音などがあります。

安定した給水を保つためにも、定水位弁の異常を早めに察知する必要があります。さらに故障を回避できるよう、定期点検等の管理が望まれます。万が一故障が発生した場合は、すみやかに交換作業を行いましょう。三興バルブ継手株式会社では定水位弁を取り扱っており、設置にあたり、経験豊富なスタッフによるアドバイスもしております。

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