配管ジャーナルPiping Journal

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小型電気温水器の水漏れの原因とは?定期点検が重要!

小型電気温水器 水漏れ

お湯の使用量は、特に寒い季節には急激に増え、小型電気温水器がフル稼働することも少なくありません。稼働率が高まると機器の不具合や故障も起こりやすくなります。中でも水漏れは、修理事案として比較的多いです。

修理にあたっては、小型電気温水器の水漏れの原因を確認し、対策方法を準備しておくことが必要です。この記事では、小型電気温水器の概要と構造、主な水漏れの原因、定期点検を行う際のポイントを解説します。

小型電気温水器の概要

小型電気温水器は、電気の力で水道管から運ばれる水を温める仕組みとなっています。小型電気温水器には、一般住宅向けとパブリック向けがあります。

一般住宅向けは主にキッチンやトイレ、洗面所などで使用される湯を供給します。捨て水の必要がなく、いつでも待たずに給湯できるもの、自動温度調整など節電性の高いものに人気があります。

パブリック向けは主にオフィスビルや学校、病院などの、以下の場所への湯を供給します。

  • 給湯室
  • 厨房
  • 洗面所
  • 個室
  • 病室

それぞれ多くの給湯量があるため、節電・節水性の実現が期待されます。

湯沸かし方法には貯湯式と瞬間式の2種類があります。大型の電気温水器と違い、小型電気温水器は容量が小さいため貯湯式や瞬間式の一部は浴室への供給には向きません。その分比較的速やかにお湯を作ることができるのが特徴です。

小型電気温水器の構造

小型電気温水器の構造の主な特徴は以下の通りです。

  • 逃がし弁…湯沸し時の膨張水を排水し一定の圧力を保つ
  • 膨張水排水口…湯沸し中に膨張水が排出される
  • 空気吸込みせん、水抜きせん、排水せん…温水器の水を抜くときに操作する
  • 減圧弁 (内部)…給水の圧力を減圧して、一定の圧力を保つ

逃がし弁以外の部位は、給湯の場合は水道口、排水は下水管に、給水は水道管に配管されます。

水漏れの原因とは

小型電気温水器のトラブルで多い水漏れについて、主な発生部位の原因を説明します。

逃し弁の水漏れ

逃し弁自体の劣化が原因で水漏れが発生する場合があります。水質によっては、摺動(しょうどう)部にスケールが付着したり、弁座シート部が磨耗したりして、水漏れの原因になります。沸かし上げ中にポタポタ水が出るのは正常作動ですが、吹き出し続けているのは故障です。

減圧弁の水漏れ

減圧弁自体の劣化が原因で、水漏れが発生する場合があります。水質によっては、減圧弁のダイヤフラム(ゴム製)の摺動部にスケールが付着したり、弁座シート部が磨耗したりして水漏れの原因となるケースがあります。

配管部からの水漏れ

配管の劣化、配管接続部の不具合、配管が凍結により破損した場合に、水漏れが発生する場合があります。 逃がし弁・減圧弁は消耗品であり、使用環境によっては3年ほどで劣化するケースもあります。劣化による動作不良や漏水を防ぐために、定期的な交換が必要となります。

定期点検の重要性

小型電気温水器を長年にわたり快適に使用するには、専門技術者による定期点検を行うのが望ましいです。

定期点検整備の際、 温水器本体・機能部品・消耗部品などの点検・交換・清掃、給水用具 (逆流防止装置) に関しては、公益社団法人日本水道協会発行の維持管理指針に基づいて点検します。

逃し弁・減圧弁などは、設置条件・使用条件・特殊環境などの条件によって劣化しやすい消耗部品であるため、定期的な点検を実施し、状況に応じて交換が必要です。 補修用性能部品の保有期間は、製造打ち切り後約7年間ですが、メーカーにより設定期間は異なります。

部品保有期間を超えて小型電気温水器を使用する場合、用意できない部品があるため、注意が必要です。10年程度の長期間にわたり使用する場合は、交換できない部品がないよう、毎年定期点検を実施することが望まれます。

日本イトミック製品の特徴

小型電気温水器で定評のある日本イトミック社製品の特徴について説明します。

使用水圧0.75MPaまで対応可能

水道水圧の高い地域でも床置き型は減圧弁が内蔵されている為、対応が可能となっております。

自動復帰の逃し弁

任意に逃し弁を開けたとき、戻し忘れても自動的に元の位置に戻る「逃し弁テストレバー」を装備しています。

ストレーナ―を外部に設置

ストレーナ―を外部に設置しているため、点検・確認、清掃などのメンテナンスが容易です。

給湯コントローラーを搭載

タイマーや温度管理、節電、省エネなどの設定が可能です。管理しやすく、コストを抑えるのにも役立つ機能です。 水漏れは逃し弁や減圧弁などの消耗品の劣化による部分が大きいです。減圧弁が要らない設備は、それだけでも部品不具合による故障という要因を低減することができます。また、ストレーナ―の外付けにより、メンテナンスの効率化が期待できます。

まとめ:水漏れを防ぐにはメンテナンスが大切

小型電気温水器の水漏れは、逃し弁や減圧弁など消耗品部品の劣化が原因となる場合が多いです。部品の劣化による故障を回避するため、年に1回の定期点検を行うことが推奨されています。定期点検を怠ると、 水漏れによる水災害で、家屋や家財などの損害に結びつく場合があります。

小型電気温水器を選ぶ際には、給湯性能の高い設備を選ぶことはもちろん、メンテナンスのしやすさもポイントになります。

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