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電動ボールバルブの仕組みや電磁弁との違い|主要メーカーを3つ紹介

電動ボールバルブは、衛生空調配管内の流体を確実かつスムーズにコントロールするために電動で開閉を行います。流体の性質、または用途などを考慮し、時間や流量などの微細な調整が必要な場合に使用するのが一般的です。

この記事では、電動ボールバルブの仕組みや電磁弁との違い、主要メーカーなど、電動ボールバルブの選定や施工に役立つ内容を紹介します。

電動ボールバルブの特徴

電動ボールバルブは、バルブの開閉を行うためのモーターを搭載しており、トルクの大きい電動操作機を組み合わせることで、油やガス、水といった流体の開閉を正確に行います。

またボールバルブ自体は、微細な流量調節には向いておらず、原則としては、全開/全閉の2位置でしか使えませんが、流量調整用としてシート材質を変えたり、ボールをVカットにした製品もあります。

電動ボールバルブの仕組み

電動ボールバルブの弁体部分には、ボールシートと呼ばれる2枚のシートリングが付いています。軸となるステムを回すとボールシートが適度な締め代でボールを挟み込み、流路を塞ぐ仕組みです。電動ボールバルブには、回転するボールの支え方が異なる2つの構造があります。

  • フローティング構造
  • トラニオン構造

それぞれ解説します。

フローティング構造

出典:ボールバルブの構造|日本バルブコントロールズ株式会社

フローティング構造は、弁体がボールシートによって保持されており、流体の圧力によって弁体をボールシートに押し付けて塞ぎます。流体圧力によって弁体がボールシートに押し付けられ、シール性能が安定する構造です。弁体上部に設けている溝にステムの板部位を合わせて、ボールを回転させます。

シンプルな構造で部品点数が少ないため、コストパフォーマンスに優れています。

トラニオン構造

出典:ボールバルブの構造|日本バルブコントロールズ株式会社

 

トラニオン構造は、弁体を上下の軸で支え、ボールシートの裏に配置したスプリング(バネ)によって弁体をシートに押し付けます。流体圧力やボールシートの弾性に依存しない構造です。

回転軸に保持されており、流体圧力の影響を受けにくいうえ、スプリングの利用によってより剛性の高いシート材料を使用できます。高圧のかかる配管または大口径バルブなど、安定したシール性能が求められる場合に活用するのが一般的です。

電動弁と電磁弁の違い

電動弁と電磁弁とは、

アクチュエーターユニットは、大きなモーターや減速機を内蔵するため、電磁弁よりもサイズが大きくなります。電動弁の弁部にはモーターと相性の良いボールバルブが採用されるのが一般的です。

一方、電磁弁は、高速作動が行えるが大口径や高圧には適しません。アクチュエーターの往復動作で弁を直接駆動するタイプの電磁弁の場合、開弁および閉弁力をアクチュエーターの力のみで発生させなければならないためです。ただし、流体圧力を弁の開閉に利用するパイロット式の電磁弁の場合は、大口径や高圧にも対応できます。電磁弁には、玉形の弁構造が組み合わされるのが一般的です。

電動弁と電磁弁の使い分け

高速作動が求められず、より確実な閉止能力を求める場合、電動弁を採用します。例えば、化学工場で取り扱う危険品のタンクのメインバルブの場合など、流体の経路を大元で開閉する目的では電動弁を活用することが多いです。

一方、頻繁に開閉を繰り返し、高速作動が求められる場合は電磁弁を採用します。空気圧または油圧設備でシリンダーを動かす際など、機械動作に関わる部品の1つとして使われます。小型で軽量、なおかつ高速動作できることを活かして、制御機器の付属機器として活用するのが一般的です。

おすすめの電動ボールバルブメーカー3社

ここでは、おすすめの電動ボールバルブメーカーを3社紹介します。

  1. 株式会社キッツ(KITZ)
  2. 株式会社FMバルブ製作所
  3. 株式会社プロテリアル

1.株式会社キッツ(KITZ)

バルブの総合メーカーである株式会社キッツ(KITZ)は、バルブの主要材料の製造部門を持ち、素材の鋳造から加工、組立、検査までを一気通貫で行い、質の高い製品を製造・販売しています。下水道や給湯、ガス、空調など幅広い分野の製品を90,000種類も揃えています。

電動ボールバルブはもちろん、コンパクトでシンプルなバタフライ弁や生産設備装置などに活用される自動弁など、電動式アクチュエーター製品の種類も豊富です。

株式会社キッツ(KITZ)

https://www.kitz.co.jp/

 

2.株式会社FMバルブ製作所

株式会社FMバルブ製作所は、自動給水装置の専門メーカーとして水資源の有効な利用方法のシステム化に有効な製品を製造・販売する企業です。電動弁や電磁弁のほか、定水位弁、電磁弁一体型定水位弁など、豊富な製品を取り扱っています。

業界初のセンサーとマイコンによる給水システムのFMレベルキャッチャーを発売するなど、貯水槽の緊急遮断弁システムのニーズに応える新製品開発を推進しています。

株式会社FMバルブ製作所

http://www.fmvalve.co.jp/

 

3.株式会社プロテリアル

株式会社プロテリアルは、給水給湯管や排水管のみならず、防災、ガス、機器類に使用する配管継手を製造販売する企業です。セラミックス吸着フィルタによる排水の再利用、ゴム製熱交換マットによる未利用熱の利用などによって、エネルギーを効率的に利用します。

その技術力とサポート体制で安心安全な社会実現など社会的ニーズに応えます。

株式会社プロテリアル

https://www.hyoutan1912.proterial.com/

電動ボールバルブの選定は三興バルブ継手株式会社におまかせ

三興バルブ継手株式会社は、配管設備資材を主に取り扱う配管資材の総合商社です。現場が円滑に進行できるようサポートするため、熟練したスタッフが適切な電動ボールバルブの提案や選定、見積もり、発注、納品までスムーズに対応します。

配管の一次加工やユニット加工も行っており、資材発注から加工までトータルにサポート。現場の業務効率化に貢献いたします。

電動ボールバルブを始めとした配管資材の選定や納期にお困りなら、お気軽にお問い合せください。

配管資材専門店VALVIA(バルビア)