配管ジャーナルPiping Journal

改めて聞きたい配管基礎知識

電動ボール弁とは?電動ボールバルブとの違いと主要メーカー3選

電動ボール弁は、空調や衛生設備のオン・オフ制御(二位置制御)を行うもので、バルブ閉止時のウォーターハンマーを防止するという特性があり、管路の水、油、ガスなどの開閉弁として用いられます。

この記事では、電動ボール弁の仕組みや運用方法、また、電動ボール弁の主要メーカーについて紹介します。

電動ボール弁とは

電動ボール弁は、電気式の制御機構や手動操作スイッチと組み合わせて利用されます。ボール弁は開いた状態では流体が通る球体の穴によって制御され、ボールを90度回転させることでバルブは閉じます。

電動ボール弁を利用することにより、正確な開度制御が可能になります。電動制御によって、流体の流量や圧力を細かく調整できるため、さまざまな産業において効率的な制御が実現されています。

また、電動ボール弁は自動化システムに統合されることもあり、リモート操作や遠隔監視にも対応しています。

電動ボール弁の活用方法

電動ボール弁は、さまざまな産業で幅広く活用されています。用いられる産業によって異なる利用方法がありますが、高い制御性能と自動化機能によって効率的なプロセス制御や流体制御を実現する重要な装置として、広く活躍しています。

以下では、電動ボール弁の主な活用方法の一部を紹介します。

プロセス制御

製造工程やプラントの制御においては、液体や気体の流量や圧力を正確に調整する必要があります。電動ボール弁は、制御システムと組み合わせて使用され、自動化やリモート操作によってプロセス制御を実現します。

配管システム

配管システムにおいて、電動ボール弁は流体の開閉制御に使用されます。例えば、給水システムや排水システム、加熱・冷却システム、液体または気体の供給・停止など、さまざまな場面で活用されています。電動ボール弁の高い開閉速度や正確な制御により、効率的かつ安定した配管システムを実現します。

エネルギー産業

電動ボール弁は、エネルギー産業においても広く活用されています。例として、石油・ガスパイプラインや発電所の制御弁が挙げられます。燃料供給の制御やガス制御では正確な制御性能が求められるため、電動ボール弁が用いられています。

電動ボール弁と電動ボールバルブの違い

電動ボール弁は電動ボールバルブとも呼ばれ、どちらも同じもののため、一般的には同じ意味で使用されます。いずれも穴の空いたボール状の弁体を回転させて流体をコントロールするためのバルブの一種で、蛇口や水栓、ガス管など幅広い用途で使われています。

電動ボール弁や電動ボールバルブは、ゲート弁やグローブ弁と比べて操作性が高く、コンパクトな構造であることがメリットです。流体の流量調整、圧力制御、液体やガスの停止など、さまざまな役割を果たします。

電動ボール弁の役割

電動ボール弁は、液体や気体の流れを制御する役割を果たします。ボール弁の開閉によって流体の通過を制御し、必要な流量や圧力を確保することにより、プロセスやシステムの効率的な運転や制御が可能になります。

また、電動ボール弁は電子制御されるため、自動化システムとの統合に適しているのも特徴です。センサーや制御装置と連携し、自動制御やリモート操作が可能です。これにより、効率的なプロセス制御や遠隔監視が可能です。

電動ボール弁のメリット・デメリット

電動ボール弁のメリットとデメリットは、主に以下のようになります。

 

【電動ボール弁のメリット】

  • ・圧力損失が非常に小さい
  • ・操作性が高くゲート弁の代わりにも使える
  • ・気密性が高い
  • ・ボディがコンパクト

 

【電動ボール弁のデメリット】

  • ・手動タイプよりも重量が重い
  • ・電動で駆動するため、故障時にメンテナンスが必要

電動ボール弁の仕組み

電動ボール弁は、モーター(電動機)を使用した電動アクチュエーターと呼ばれる装置によってボールの回転が制御されます。ボールを回転させることで、通路の開口部が開閉します。

電動ボール弁は高速作動には不向きですが、減速機を用いてより大きなトルクを利用することができるのは大きなメリットで、大口径化にも適しています。

電動ボール弁は制御システムと連携し、外部からの指示や制御信号に応じて動作します。制御システムは、センサーや制御装置を通じて電動ボール弁の開度や動作を監視・制御し、適切な状態を維持することができます。

また、電動ボール弁は自動化システムに統合されることが一般的です。これにより、プログラムや制御アルゴリズムに基づいて自動的に開閉制御が行われるため、リモート操作によって遠隔地から電動ボール弁を制御することができます。

電磁弁と電動弁の使い分け

電気で駆動する自動弁には、電動弁と電磁弁の2種類があります。それぞれの違いは、アクチュエーターの動力にあります。

 

  • 電動弁の動力:モーター
  • 電磁弁の動力:電磁石

 

電動弁は流量調整範囲を任意に調節可能で、制御用の弁の上流に設置したり、流体のメイン経路の大元によく使われています。

電動弁は高速動作が不得意です。そのため、開閉を高速で繰り返したり、短時間での開閉回数が多い場合には電磁弁が向いていると言えるでしょう。空気圧や油圧で作動する機器など、電磁弁ならではの高速動作を活かした場所で使用される事が多いです。

電動ボール弁の主要メーカー3選

ここでは、電動ボール弁を扱う主要メーカー3社を紹介します。

1.株式会社キッツ(KITZ)

株式会社キッツはバルブ・システム機器等の流体制御機器の製造メーカーです。バルブメーカーとしてはアジア最大手であり、世界でもトップレベルのブランドとして、高品質なバルブを供給しています。

素材の選別から鋳造、組み立て、加工、検査など、完成までのすべての工程をワンストップで担っており、自社ブランド「KITZ」の製品は、品質の高さに定評があります。

株式会社キッツ(KITZ)
https://www.kitz.co.jp/

2.株式会社プロテリアル(旧:日立金属株式会社)

株式会社プロテリアルは、かつて日立金属株式会社という名称でした。バルブをはじめとした金属部材の製造と販売を行う企業です。2023年に社名を変更した後も変わらず、多彩なジャンルのバルブの製造を続けています。

国内外に広範な製造拠点および販売拠点を持っており、グローバルなマーケットにおいても対応できる製品の提供やサポートを行っているのも特徴です。

株式会社プロテリアル(旧:日立金属株式会社)
https://www.proterial.com/

3.CKD株式会社

CKD株式会社は、主に工場向けの自動機械装置や空気圧制御機器、流体制御機器などの開発、製造、販売を行っている企業です。

CKDは、長年、バルブおよび制御機器の開発・製造に取り組んできた信頼性の高いメーカーです。そのため、CKDの電動ボール弁は高品質な部品と組み合わせられており、堅牢性と信頼性があります。

CKD株式会社
https://www.ckd.co.jp/

電動ボール弁を活用して効果的な制御を行おう

電動ボール弁は、管路の水、油、ガスなどの流体の開閉制御に効果的なバルブです。その正確な開度制御や流量・圧力の調整機能により、幅広い産業分野で活用されています。

電動ボール弁は、作業の効率的なプロセス制御や安全性向上には欠かせない存在ですから、積極的に活用するといいでしょう。

電動ボール弁のことなら三興バルブ継手株式会社にお任せを!

三興バルブ継手株式会社は、配管設備資材を主に取り扱う配管資材の総合商社です。現場が円滑に進行できるようサポートするため、熟練したスタッフが適切な電動ボールバルブの提案や選定、見積もり、発注、納品までスムーズに対応します。

配管の一次加工やユニット加工も行っており、資材発注から加工までトータルにサポート。現場の業務効率化に貢献いたします。電動ボール弁を始めとした配管資材の選定や納期にお困りなら、お気軽にお問い合せください。

配管資材専門店VALVIA(バルビア)