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建設業で使える図面アプリ12選!図面の作成や管理における手間を削減

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施工管理において労働時間を削減するには、図面の作成や管理などの事務作業の効率化が重要です。

建築図面には、基本設計図、実施設計図、施工図などがあり、さらにそれぞれが詳細に分けられます。施工管理で扱う施工図であれば平面詳細図、躯体図、総合図など目的に合わせた複数の図面が必要です。図面は現場ごとに必要で、建設業では膨大な数を扱わなければなりません。

図面アプリは、建設業における図面に関する業務負担を軽減します。図面アプリには複数の種類があるため、現場にあったアプリの選定が必要です。

そこでこの記事では、図面作成や図面管理に役立つアプリについて解説し、12種類の図面アプリを紹介します。また、建設現場の作業効率を向上するサービスも紹介するので参考にしてください。

「図面作成アプリ」と「図面管理アプリ」

建設現場において、図面に関する業務の効率化を目指せるアプリは以下の2種類があります。

 

  • 図面作成アプリ
  • 図面管理アプリ

 

それぞれについて解説します。

図面作成アプリ

図面作成アプリは、建設現場で使われる様々な図面を作成できるアプリです。建設現場では、より精度を高めたり施主の希望に応えたりするため、仕様や設計が変更になることが多く発生します。変更の度に図面を作り変え、最新版に更新しなければなりません。

図面作成アプリを使えば、寸法変更が生じた関連箇所を連動させて変更できるなど、修正作業の手間が省けます。また、図面の仕様を統一できるため、確認しやすい図面が作成できます。図面作成には多くの担当者が携わりますが、寸法表記やフォントの種類・サイズなど、図面を作成する上での要素を定義し仕様を統一できるため、作業の効率化を図れます。

スマートフォンやタブレットで使用できる図面作成アプリであれば、事務所に戻らず現場で新規図面を作成できるので便利です。

 

図面管理アプリ

図面の作成だけでなく膨大な図面の管理に悩む施工管理の責任者は多いでしょう。図面データを保管・閲覧・編集ができるのが図面管理アプリです。図面をカテゴリに分けて管理する機能が優れており、検索が容易にできます。

建設業法第40条の3にて、建設業者は発注者から直接建設工事を請け負った場合、営業所ごとに帳簿や完成図、施工体系図などの図書を引き渡し時から10年間、保存することと定められています。また、図面は、メンテナンスや改修を行うときに必要になるため、適切な管理が大切です。

参考:建設業法

※記事内に該当する箇所は参考資料の28~30ページ

図面に関する業務を効率化するアプリ12選

図面作成アプリと図面管理アプリには、それぞれ複数の種類があります。どれを選べばいいか分からないと悩むこともあるでしょう。そこでここでは、図面作成アプリと図面管理アプリに分けて、合計12種類のアプリについて紹介します。

図面作成アプリ

図面作成アプリを6つ紹介します。

 

1.AutoCAD

AutoCADは2DCADにおいて圧倒的なシェアを誇るアプリです。2Dの作図とドキュメント作成に加え、3Dで立体物を形成する3Dモデリングも利用できます。

スマートフォンの画面でもズーム機能により細部まで描画でき、簡単な図面であればスマートフォンだけで作成可能です。また、クラウドを経由してパソコンで共有し作業を引き継ぐことができます。

電気制御設計、機械設計、建築設計などさまざまな作業を行える「AutoCAD Plus」もあります。

 

参考:AutoCAD

 

2.ZWCAD

ZWCADはAutoCADと同様の操作性を持つため、AutoCAD使用者であれば違和感なく使用できるアプリです。

画像や音声で注釈を入れられる機能があるため、文字を入力する手間を省けます。DWG・DWF・DXF・PDFなどの複数の形式の図面を表示・編集・エクスポートが可能で、関係者への図面共有が容易になります。

AutoCADはサブスクリプションですが、ZWCADはライセンスの取得に98,000円あるいは138,000円、バージョンアップがあると更新費用として35,000〜76,800円かかります。ライセンスの取得費用はライセンスの数やアプリの機能によって異なり、更新費用は2020バージョンを2023バージョンにする、2022バージョンを2023バージョンにするなどバージョンアップする数によって異なります。

ZWCADのポータブルバージョンとしてCAD Pocketsがあります。様々な形式のCADファイルに対応し、基本的および高度な描画や編集ができるツールが備わっているため、外出先でも図面を作成可能です。

 

参考:

ZWCAD

CAD Pockets

 

3.IJCAD

IJCADも、AutoCADユーザーであればすぐに使いこなせるように作られています。AutoCADユーザーによる直感的な操作を実現するために、各種表示などはAutoCADに寄せたデザインになっています。

モバイル向けのIJCAD:MobileもありiPadやスマートフォンから、図面データの確認やメール送信が可能です。最新の図面がどれなのかが一目でわかる「最新図面管理機能」を搭載しているため、設計変更により変更が生じた図において、最新版を瞬時に共有できます。

 

参考:

IJCAD

IJCAD:Mobile

 

4.Solidworks

Solidworksはパソコンで使う3DCADで、他社製のCADデータを変換せず読み込めるなど他の3DCADとの互換性が高いことが特徴です。また、表示方向を追加することにより、作成した方向をもとに図面ビューを作成できるなど、豊富な機能により2D図面の作成・編集ができます。

テキストや記号といったアイテムをライブラリに登録しておくと、ドラッグ&ドロップで追加できるなど操作性が高いことも魅力です。

 

参考:Solidworks

 

5.Fusion360

Fusion360は、パソコンやiPadなどのタブレットで利用できる3DCADです。「デザインから図面を新規作成」を選択するだけで自動で2D図面も作成でき、寸法やテキストを配置できます。3Dモデルを修正すると、関係する2D図面にも修正が反映され図面同士の整合性が取れるため、手作業による修正や修正に伴うミスを防げます。

Fusion360は、商用利用するにはサブスクリプション契約が必要ですが、無料体験版がある他、学生やスタートアップ企業のために無料ライセンスが用意されています。

 

参考:Fusion360

 

6.Morpholio Trace

Morpholio Traceは、デザイン・スケッチ・設計などの幅広い機能を持つ製図アプリです。紙面上で書いているようにスケッチできます。画像を線のみにしたテンプレートの作成が可能で、着色作業も簡単です。建物の寸法を記入すると実際の建物イメージがアプリで確認できる「AR(拡張現実)モード」が備わっています。

 

参考:Morpholio Trace

図面管理アプリ

図面管理アプリを6つ紹介します。工程表作成や顧客情報管理ができる施工管理アプリが多く、機能の1つとして図面管理ができる仕様になっています。

 

1.KANNA

KANNAは施工管理アプリで、現場ごとの図面や資料を一元管理する機能が備わっています。チャット機能を使えば、図面の変更点を早急に報告でき、関係者に印刷して手渡ししたりメールで送信したりする手間が省けます。

KANNAは初期費用が無料です。また、利用人数分のアカウント購入も不要なため、現場に関わる全員分のアカウントを制限なく幾つでも作ることができます。

 

参考:KANNA

 

2.現場Plus

現場Plusは施工管理アプリで、写真・図面・書類の管理機能を備えています。現場ごとにフォルダ分けし管理することが可能です。

設計変更があるとリアルタイムで関係者に通知されるため、図面の取り違いによる施工ミスを防げます。また、朱書き機能により、すばやく的確な指示が可能です。運用開始まで、カスタマーサクセスの専門部署による徹底サポートがあるのも魅力です。

 

参考:現場Plus

 

3.Photoruction

Photoructionは、写真管理や図面管理、工程管理などの業務プロセスを効率化する施工管理システムです。

図面管理機能においては、図面を高解像かつ高速で閲覧でき、 PDFのほか、DWGやDXF形式の図面データも表示できます。図面には矢印、矩形、計測など様々な注釈とともに、メモや写真、チェックリストなどの情報も付け加えることが可能です。図面はバージョン管理が可能なため、あらゆる状態の図面を瞬時に取り出せます。

 

参考:Photoruction

 

4.SPIDERPLUS

SPIDERPLUSは、iPhone・iPad向けの現場管理アプリです。図面整理や写真管理のほか、帳票出力なども可能です。記録や報告作業を効率化します。

カテゴリーごとに図面管理・閲覧ができ、複数の現場を持つ場合でも、必要な図面をすぐに確認することが可能です。また、図面に写真を貼付できるため検査記録が容易になります。

 

参考:SPIDERPLUS

 

5.まいく郎WEB

まいく郎WEBは、図面などの社内情報をシンプルに「見える化」する図面・文書管理WEBシステムです。ブラウザで使えるため、プログラムのインストールが不要です。CADソフトがインストールされていないPCでも様々なCADデータを表示できます。

図面はカテゴリファイルで分類できます。テキスト検索のほか縮小ファイルでの閲覧機能があるため、対象ファイルの検索が容易にできます。

 

参考:まいく郎WEB

 

6.CheX

図面管理アプリのCheXは、プロジェクト関係者間での情報共有を効率化します。

図面や書類を一元管理し、関係者は画面上で報告や確認が可能です。常に最新の情報や図面を表示し、更新されると自動でメールが送信されます。それによって、情報伝達のタイムラグをなくし連絡漏れを防止できます。詳細な図面データでも、スクロール、拡大、縮小に高速で対応するためストレスなく図面の閲覧が可能です。

CADデータの他、Word・Excel・PowerPointで作成された文書も表示できるため作業指示書や報告書、工程表などもレイアウトを崩さず表示されます。

 

参考:CheX

 

図面作成を依頼できるサービス

図面アプリではなく、社外サービスを利用し図面に関する業務負担を軽減することも可能です。社外サービスを利用すれば、人員の省力化が図れます。

3Dレーザースキャナーを用いた図面作成であれば、立体的な表現が可能なため、視覚的な状況把握が可能です。3Dレーザースキャナーによる現地調査は、大規模な現場でも寸法測定が容易で、建物や設備の老朽化により状況把握が難しい現場でも正確な情報を得られます。それによって、精度の高い図面が作成できます。

 

まとめ:図面アプリや社外サービスを利用して労働時間の削減を目指そう

建設現場において、図面アプリを利用することにより業務効率化を図ることができ、労働時間の削減を目指せます。ただし、図面アプリには複数の種類があるため、操作性や必要な機能を確認して選択しましょう。

また、社内の作業負担を軽減する方法として、図面作成を社外サービスに依頼する方法もあります。3Dレーザースキャナーを用いる図面作成であれば、精度が高く品質の向上も期待できます。

三興バルブ継手株式会社では、配管設備資材の販売・納品だけでなく、「3Dスキャナによる図面作成」や「配管加工」のサービスも展開しています。経験豊富なスタッフによる円滑な現場作りのサポートが必要な方は、お気軽にお問い合せください。

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