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機械設備図面の見方を紹介|設計図の全体構造からポイント把握しよう

建物の建築や改修の際、施工担当者は多種類の図面を管理し、把握しておく必要があります。しかし、中には専門的な知識が必要な設備図面などもあり、全てを把握するのは困難です。

この記事では、設計図の全体構造や機械設備の図面構成などを紹介します。機械設計図をスムーズに理解するのに役立つ内容です。

設計図の全体構成

設計図は、次の5種類に大別できます。

  1. 意匠図
  2. 構造図
  3. 機械設備図
  4. 電気設備図
  5. 昇降機設備図

それぞれについて解説します。

1.意匠図

意匠図とは、主に建物の見た目や大きさなどを記した図面です。構造物の大きさや天井の高さ、各壁や床の材料の仕様など、外観と内観に影響する内容を把握できます。

施工の共通仕様は特記仕様書で、建設地や建物の概要や状況を敷地案内図、配置図、求積図、面積表でそれぞれ表します。建物の面積や形状を把握できる上、施工箇所ごとに使用する材料の素材、厚さなど細かい部分を把握するのに役立ちます。

2.構造図

建物の構造とその安全性に関する図面が構造図です。建物の耐久性を確保する上で重要な柱や梁、接合部の形式などを記載してあります。施工は構造図を基に進行するため、重要な図面です。

標準図や軸組図、伏図、詳細図で構成される構造図によって、基礎の鉄筋やコンクリートの指示、柱や梁、床、壁などの各部材から寸法、継ぎ手の手法、施工手順などを把握できます。

3.機械設備図

機械設備図は、空調設備や給排水衛生設備に関する図面です。空調設備図にはボイラや冷凍機などの熱源設備、ダクトやポンプなどの熱搬送設備、加湿・除湿機、エアフィルタといった空気調和設備に関する配置や経路を確認できます。

給排水衛生設備図では、工場の冷却水やトイレなどに必要な給排水管、排水桝、給湯設備などの機器や器具、経路を把握できます。上水道のある地域の場合、水道配管図によって水道配管の通りも確認できるでしょう。

そのほかにも、エレベーターやエスカレーターなど、建物に備わる機械設備情報の把握に役立ちます。

4.電気設備図

電気設備図は機械設備図と同様、設備図面の1つです。照明やコンセント、分電盤などの数量や位置のほか、形状や配線といった詳細も記載してあります。

接続の概要を示す単線接続図や系統図から、接続を具体的に記す複線接続図、場合によっては動作を説明するために展開図を活用することもあります。ほかにも、内部接続図や裏面接続図、外部接続図では配線用の接続を表すなど、同じ電気設備図でも種類はさまざまです。

設備図の構成

ここでは、設備図の構成を解説します。設備図面を見てスムーズに把握できるように、構成を理解しておきましょう。以下の表における各項目についてそれぞれ解説します。

電気設備図面

配線図・平面図

100分の1

200分の1を活用できる

詳細図

50分の1

20分の1または30分の1を活用できる

系統図

 

機械設備図面

機器表・器具表

 

系統図

 

配線図・平面図

100分の1

200分の1を活用できる

詳細図

50分の1

20分の1または30分の1を活用できる

参考:建築設備工事設計図書作成基準|国土交通省

機器表・器具表

機器表・器具表とは、使用する電気設備と機械設備それぞれの仕様を一覧にまとめたものです。例えば、冷却水ポンプを使用する場合、空調設備機器表に形式や能力、付属品などを確認できます。

配線図・平面図

配線図・平面図では、構造物を真上から見た図面に配線や配管などの位置や経路がわかります。電気設備の配線図には、各回路分けをまとめた分電盤結線図を基にした配線のほか、電気部品や電線などの数や配置が記されています。

詳細図

ダクトや屋上室外機などの配置や配管経路に加えて、注意点、細かい寸法などの情報を記載したものが詳細図です。他の図面よりも細部を把握できるため、施工時には現場監督との打ち合わせに使用するなど、重要な役割を果たします。

系統図

系統図とは、電気や弱電、配管などの設備を各系統に分けて記した図面のことです。系統ごとに分けて記載することによって、位置関係や配管の順序を確認しやすくなります。

平面図では表現が難しい設備の場合には、断面図を利用することもあります。左右の部屋や上下階と関連する設備の場合、平面図で記載するのは難しいためです。電気系統図や配管系統図など、設備によって各名称が付けられています。

まとめ

建物の建築や改修には、設備図面が必要になります。機械設備図や電気設備図を見てスムーズに把握するには、各設備図の構成を学んでおくといいでしょう。ぜひ、当記事を参考にしてみてください。

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