配管ジャーナルPiping Journal

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スチームトラップの種類と構造|選定時の注意点と呼び径の計算式とは

スチームトラップとは、水(ドレン)を自動的に排出するバルブのことです。蒸気は冷えると水に戻るため、スチームトラップを使ってドレン(復水)を排出することにより、蒸気の熱量の有効利用や適性蒸気量の確保、初期空気の排出などを行うことができます。

この記事では、スチームトラップの種類別の構造や用途、使用上の注意点、交換時期などを解説します。

 

参考:株式会社ベン発行「自動弁へのアプローチ スチームトラップ編」

スチームトラップとは

蒸気は冷えると水に戻りますが、スチームトラップは、その水(ドレン)を自動的に排出する装置です。

スチームトラップの使用目的

スチームトラップの使用目的は、大きく2つあります。

 

  • ドレン(復水)の排出
  • 空気の排出

 

それぞれについて解説します。

ドレン(復水)の排出

ドレン(復水)の排出には以下のような効果があります。

  1. 蒸気の熱量の有効利用
  2. 機器等の破損防止
  3. 適性蒸気量の確保

1.蒸気の熱量の有効利用

ドレン(復水)を速やかに排出し、連続的に蒸気を使用できます。

2.配管・機器等の破損防止

スチームハンマーによる機器などの破損防止につながります。配管内に停滞する水(ドレン)を排出することにより、通気初期に水(ドレン)が蒸気に押し流され、管壁や機器などへの衝突を防ぎます。また、配管・機器等の腐食・凍結による破損防止にもつながります。

3.適性蒸気量の確保

配管内を水(ドレン)が流れることで、蒸気の通過面積の減少を防ぎます。

空気の排出

スチームトラップを使用することによって初期空気を排出できるため、末端機器をスムーズに立ち上げることができます。

スチームトラップの用途

スチームトラップは、主に以下のような用途に用いられます。

  1. 蒸気輸送管
  2. 空調・生産設備
  3. 食品製造・厨房設備
  4. クリーニング機器
  5. 医療・薬品・食品機器

蒸気輸送管は主管、枝管、ヘッダーなどに、空調・生産設備は熱交換器やエアハンドリングユニットなどに、食品製造・厨房設備は煮釜や加熱釜などに、クリーニング機器はプレス機・乾燥機など、医療・薬品・食品機器はオートクレープなどに用いられることが多いです。

スチームトラップの種類と構造

スチームトラップを作動方式で分類すると大きく3つに分けられます。

  • メカニカル式
  • サーモスタチック式
  • サーモダイナミック式

それぞれについて解説します。

メカニカル式の構造

メカニカル式は、蒸気とドレンの比重差を利用しています。ドレンが溜まるとフロートやバケットが浮力によって上下してベンを開閉し、ドレンを排出します。

メカニカル式はバケット式、フロート式に分けられます。バケット式には上向きバケット式と下向きバケット式が、フロート式にはレバー付きフロート式とフリーフロート式があります。

サーモスタチック式の構造

サーモスタチック式は、蒸気とドレンの温度差を利用します。例えばベローズは、高温の蒸気が流入すると膨張して弁を閉じ、低温のドレンが流入すると収縮して弁を開き、ドレンを排出します。

サーモスタチック式には、バイメタル式、サーモエレメント式、ベローズ式、サーモワックス式があります。

サーモダイナミック式

蒸気とドレンの熱力学特性差を利用したスチームトラップです。

サーモダイナミック式のスチームトラップは、入口側圧力と出口側圧力の途中に中間圧力の変圧室を設けています。その変圧室に蒸気または高温ドレンを流入させ、蒸気圧またはドレンからの再蒸発蒸気の圧力で弁を閉じます。変圧室の温度がドレンまたは自然冷却によって一定の温度以下になると、変圧室の圧力が降下し開弁します。

サーモダイナミック式には、オリフィス式とディスク式があります。

スチームトラップを選ぶ時の注意点

スチームトラップは、使用する機器や装置に最適な形式を選びます。不適切な形式を選ぶと、作動せず、ドレンを排出しないなどのトラブルの原因となるため、注意が必要です。

この項目では、用途別に最適なスチームトラップの形式を6つ挙げて紹介します。

  1. 蒸気輸送管(主管・枝管・・ヘッダーなど)
  2. 空調・生産設備(熱交換器など)
  3. 空調・生産設備(エアハンドリングユニット)
  4. 食品製造・厨房設備(煮釜・加熱釜など)
  5. クリーニング機器(プレス機・乾燥機など)
  6. 医療・薬品・食品機器(オートクレープなど)

1.蒸気輸送管(主管・枝管・ヘッダーなど)

バケット式、フロート式、サーモエレメント式、ディスク式

2.空調・生産設備(熱交換器など)

バケット式、フロート式

3.空調・生産設備(エアハンドリングユニット)

バケット式、フロート式

4.食品製造・厨房設備(煮釜・加熱釜など)

バケット式、フロート式

5.クリーニング機器(プレス機・乾燥機など)

バケット式、フロート式、ディスク式

6.医療・薬品・食品機器(オートクレープ・滅菌器など)

バケット式、サーモエレメント式、ディスク式

スチームトラップの呼び径選定

スチームトラップの大きさを選ぶ際は、配管や機器のドレンの発生量に安全係数を掛けた量を排出する能力を持つ呼び径を選ぶこと。安全係数は、メーカー・使用機器に応じて異なります。

株式会社ベンでは安全係数を一律3としています。計算式は次の通りです。

スチームトラップの排出量>ドレン発生量×3(安全係数)

安全係数を取る理由

通気する前の配管や機器、装置内は常温のため、蒸気が通気し始めると、大量のドレンが発生します。また、配管内に存在する空気はバイパス管を開いて排水するのが通常です。定常運転時には、ドレンの他に混入する空気の排出もスムーズに行わなければなりません。

ドレン発生量=スチームトラップの排出量とする場合、ドレンが排出されていても配管や機器・装置内にはドレンが充満していることになるため、安全係数を取る必要があります。

スチームトラップの構造を把握して日々のメンテナンス・故障時の選定をスムーズに行おう

スチームトラップは、用途や使用環境に合わせて複数の種類から選定する必要があります。スチームトラップの構造を把握しておけば、選定時はもちろん、日々のメンテナンスにも役立ちます。

スチームトラップの選定は三興バルブ継手株式会社におまかせください

三興バルブ継手株式会社は、配管設備資材を取り扱う配管資材の総合商社です。

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