配管ジャーナルPiping Journal

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蒸気用減圧弁の選定方法を解説!仕組みや構造・サイズ選びも

pipe line with steam supply  蒸気減圧弁

蒸気や気体、液体などの流体を扱うタンク、配管、機器などには、減圧弁を設置し用途に合った圧力の調整をする必要があります。しかし、減圧弁には蒸気や液体、気体など、流体により数多くの製品があるため、全てを把握することは難しいのではないでしょうか。故障の際の調整方法や選定方法についてわからない方も少なくないでしょう。

そこでこの記事では、蒸気用減圧弁の調整、選定方法について紹介します。

蒸気用減圧弁の構造・仕組み

蒸気用減圧弁とは、高い圧力を使用する圧力まで下げるバルブです。高すぎる圧力を一定まで下げ、調節するために設置します。

蒸気はボイラーで高圧蒸気を発生させ、そこから必要に応じて圧力を下げて使用します。蒸気温度を規定の温度まで下げるには、圧力を下げる必要があるためです。適切な減圧弁を設置せずそのまま使用すると、騒音や振動の発生、配管、タンク、器具類などからの蒸気漏れや損傷を引き起こす可能性があります。

減圧すると乾き度が上がる

圧力が変動すると蒸気の温度も変わり、生産性に影響を及ぼしかねません。減圧することにより乾き度が向上するため、熱交換率の向上につながります。

蒸気用減圧弁の選定方法

この項目では減圧弁を選定する方法を順番に紹介します。

1.型式の選定
2.流体、温度、圧力、材質の確認
3.呼径、流量、接続規格の確認

1.型式の選定

型式は次に紹介する要素を元に選定します。

〇配管やタンク、機器で使用する流体の種類
〇パイロット式・直動式
〇温度
〇使用圧力
〇減圧弁の材質

使用する流体は、空気や蒸気、クリーンスチーム、真空蒸気などです。流体が蒸気や空気、水の場合、標準品で対応できる場合がほとんどです。ただし、高圧ガスや石油製品などの特殊な流体である場合は、メーカーに問い合わせて製作ができるか確認を取る必要があります。

2.二次圧力検出方式の決定

二次圧力検出方式は、外部検出方式(ダイヤフラム方式)と内部検出方式(ピストン方式)の2種類から選択します。

外部検出方式(ダイヤフラム方式)

減圧弁よりも下流側に検出部を設置した蒸気用減圧弁です。ピストンの代わりにダイヤフラムを採用しており、二次圧力の多少の変化にも対応できます。二次圧力を正確に感知するため高精度の減圧が可能で、精密な減圧を求められる状況に使用します。

内部検出方式(ピストン方式)

本体内部に二次側圧力検出方式孔を備えた標準仕様の蒸気用減圧弁です。配管施工がしやすく、安定した作動性のあるピストンを採用しているため汎用性が高く、蒸気圧が1.0MPa以下であればほとんどの用途に使用できます。

3.流量・呼径・接続規格の確認

最大流量や呼径、接続規格をそれぞれ確認します。それぞれの製品仕様書に記載されている呼系選定・流量値表、もしくは呼系選定・流量グラフを参照し、適合する呼径や接続規格を確認しましょう。最大流量は型式や呼径、圧力、流体などにより異なります。特殊仕様の場合は、メーカーに確認しましょう。

配管と蒸気用減圧弁のサイズに注意

蒸気用減圧弁は配管のサイズに合わせるのではなく、実際の流量と機器の流量規定の範囲内で選定します。減圧弁には定格流量や最小調整可能流量があるためです。

配管呼径だけで接続呼径を合わせたことにより、実流量が定格流量を超えた場合、正しく制御できないことがあります。また、最小調整可能流量よりも小さかった場合は、正しく減圧できずトラブルに繋がる可能性もあります。

配管に接続する場合は、適切なサイズの製品を選定しましょう。

構造や仕組みを理解して適切な蒸気用減圧弁を選定しよう

この記事では、蒸気用減圧弁について紹介してきました。蒸気用減圧弁を設置し設定圧力を維持するには、正しい製品の選定が必要です。型式、二次圧力検出方式、呼び径・流量・接続規格などを確認し、適切なサイズの減圧弁を選定します。

蒸気用減圧弁には数多くの種類があり、選定には時間と労力が必要です。わからないことがあれば、三興バルブ継手株式会社にご相談ください。当社であれば、専門のスタッフがお客様のご要望に沿ってスムーズに製品を選定し、スピーディに見積もりを提出します。

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