配管ジャーナルPiping Journal

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鋳鉄管とは?歴史と特徴・求められる性能について解説

水道管として古くから使用され、信用ある配管設備として用いられてきた鋳鉄管。日々大量の水が供給される水道管には、耐性がある素材の使用が必要不可欠です。

一体、鋳鉄管とはどういうものなのでしょうか。この記事では、鋳鉄管の素材や、水道管としての鋳鉄管に求められる性能について紹介します。

鋳鉄管の歴史をひもとく

鋳鉄管とは、鋳鉄製の配管材です。日本では明治18年に横浜市内で使用が始まり、当時はイギリスから輸入したものを使っていました。 その後国内でも製造が始まり、明治40年代に入るとほぼすべてを国内で供給できるようになりました。

鋳鉄管の特徴

これまでの歴史で鋳鉄管の特徴としてあげられていた点は2つです。

  1. 炭素量が比較的多く鉄や鋼と比べて強度や硬度が高かった

  2. 金属材料の中で鋳鉄は電気抵抗が高く、腐食に強かった

水道管は腐食や破損による漏水が懸念され、水道管に求められる条件を満たす特性を持った鋳鉄管が適材として使用されてきました。

一方で、伸びが小さく粘り強さに欠けるため、衝撃に弱いという弱点があります。そのため昭和30年代からは、強度や延性を改良したダクタイル鋳鉄管が主流になっていきます。

ダクタイル鋳鉄管が主流になった理由

ダクタイル鋳鉄管とは、鋳鉄内に分布されている黒鉛を球状化させ、強度や延性を改良したものです。日本では、鋳鉄管と言えばダクタイル鋳鉄管を指すほどになっています。 

ダクタイル鋳鉄管が主流になっていった理由として、次のような優れた性能が確認されています。

  1. 耐震性能が高い

  2. 水密性が高い

  3. 伸縮性がある

現在ではポリエチレン管のような新しい管種が登場したことでダクタイル鋳鉄管が登場することは少なくなってきましたが、現在も日常生活、社会活動を支える重要な水道インフラとして活躍しています。

鋳鉄管について以下の記事でも詳しく紹介しています。
排水用鋳鉄管の改修工事に困らない!施工方法ガイド
●ダクタイル鋳鉄管の特徴と後継管種とは|ポイントを解説

まとめ:時代にあわせ配管材は進化し続けている

地震の多い日本において、ダクタイル鋳鉄管はより高い耐震性能を追求し、近代化とともに水道インフラを支えてきました。

現在ではより高い耐震性を兼ね備えたポリエチレン管も活躍しています。これらの進化し続ける管材は昔も今も将来も日本を支え続けます。

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