配管ジャーナルPiping Journal

改めて聞きたい配管基礎知識

雑排水・汚水など水中ポンプの選び方とトラブル対応

水中ポンプは土木工事現場を始め、浄化槽の排水、建築設備排水、雨水湧水排水、園芸や農地の排水や換水など幅広く使用されています。構造を特定の用途に特化させた水中ポンプもあり、使用目的を明確にすると容易に選定できます。

水中ポンプは、雑排水ポンプ・汚水ポンプ・清水ポンプとも呼ばれます。この記事では、これら多様な水中ポンプについて詳しく紹介します。使用上のトラブルや対応方法も記載しています。

水中ポンプの特徴と種類

水中ポンプは主に排水や換水など様々な用途に使用されます。目的や用途に合わせて最適な構成部品を使用しており、耐水性に優れ、サビに強く耐久性があります。

水中ポンプの特徴

水中ポンプは文字通り、利用する液体の水中に入れ、その場の液体の処理を行うのに使用します。ステンレス製など、さびや耐食性に強い材質で作られていることが多く、水中に入れて使用するため、騒音があまりないのがメリットです。

水中ポンプは、あらゆる方面の排水・換水に利用されます。湧き水などの排水、養殖魚槽の注水や換水、工場やビルなどの汚水や雨水の排水、土木工事現場の排水や園芸、農業用地の配水など、幅広い用途があります。

手軽に使えるよう、小型に設計されているものが多いのも特徴です。底の部分で目詰まりしても側面から吸水が可能だったり、汚物や汚水に強い羽根車を利用したり、砂や泥によるロックに強かったり、さまざまな仕様のものがあります。水中ポンプを選ぶ際は、用途や使用場所によって適切なものを選ぶのが大切です。

雑排水ポンプ

雑排水ポンプは、主に台所・厨房などの排水処理で使用します。その他には、機械室・地下室のピット、雨水・湧水・溜まり水、受水槽の清掃、プールタンクや浄化槽、小規模処理場の排水用にも使用されます。

汚水ポンプ

汚水ポンプは、トイレの排水処理などで使用します。浄化槽の原水移送用、汚物槽排水・厨房排水用などで使用されます。水中ポンプの場合、土木・建築現場の排水や、農業・園芸用の配水、灌水などにも利用されます。

清水ポンプ

園芸や農作業の散水、養殖漁業の注水・換水など、きれいな水の汲み上げ、移送に用いられる水中ポンプです。 清水ポンプは、ピット、地下室の排水などの一般排水、産業用には一般工場、病院、実験室での配水にも使用されます。その他、非常時用として洪水時や川、溜め池からの取水、農業排水にも用いられます。

水中ポンプの選定ポイント

水中ポンプは、家庭の実用から工事現場での処理まで幅広く使用されるため、持ち運びしやすい小型のものが多く出回っています。

水中ポンプを選定する場合は、雑排水・汚水・清水などどのような液体を扱うのか、排水力や吐出量、全揚程、吐出口のサイズ、使用地域の周波数を確認して選ぶことが重要です。

なお、海水や高温水、薬品が含まれた水などの特殊な液体を扱う場合は、相応の用途に特化したポンプを使用します。

トラブルとエラー対応方法

水中ポンプの中でも、汚水の排水や換水に使用するためトラブルが起こりやすい汚水ポンプについて、主なトラブルの種類と対応方法を説明します。

始動しない、始動するが止まってしまう

多くの原因が考えられますが、漏電や障害物などが原因となる場合が多いです。フロートに障害物が当たっている場合は障害物を除去します。漏電ブレーカが作動している場合は、漏電箇所を修理します。ポンプが異物を噛んでいる場合は、異物を除去します。

しばらく運転したあと、また止まってしまう

露出運転が長いため、あるいは液温が高いためオートカット作動されてしまうことが原因です。露出運転が長いことが原因の場合は停止水位を上げます。液温が高い場合は液温を下げることで対応します。

揚水しない、揚水量不足

逆回転していることが主な原因です。確認の上、正回転にします。

まとめ:水中ポンプは扱う液体の内容によって使い分ける

工業用だけではなく家庭や、農業・養殖業にも広く使用される水中ポンプ。水中ポンプは排水力・吐出量・全揚程などを確認し、稼働を考えた選定が必要になります。さらに、安全性およびトラブル回避のため、扱う液体の内容によってポンプを選定することが重要です。

使用においては、水中ポンプの発生しやすいトラブルを事前にチェックし、対応できるようにしておくことが大切です。

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