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3Dレーザースキャナーの価格と製品の選び方の完全ガイド

工場や建物の改修工事で必須となる現地調査に、3Dレーザースキャナーは欠かせません。多くのメーカーから様々な製品が提供されており、価格や機能の違いにより、自社に最適な製品選びには慎重な検討が必要です。

この記事では、3Dレーザースキャナーの選び方と、注目すべき3Dスキャナーについて詳しく解説します。さらに、スキャナーの基本機能や使用上の注意点も紹介するので、適切な製品選定の参考にしてください。

3Dレーザースキャナーの概要

3Dレーザースキャナーは、レーザー光線を利用して空間位置情報を取得する計測装置です。タイム・オブ・フライト方式を用い、対象物へ照射したレーザー光線が戻る時間を測定し、距離を計算します。

取得した点群データからデータを取得

3Dレーザースキャナーでは、毎秒100万本以上のレーザー光線を照射し、大量の点で計測結果を取得します。この取得結果を「点群データ」と呼びます。一つひとつの点には、照射物のわずかな凹凸が空間座標(x、y、z)で記録され、精密に照射物の形状を再現します。

3Dレーザースキャナーの最大の特徴は、目に見えるものすべてのデータを取得できるため、計測時に漏れがないことです。そのため、3Dレーザースキャナーは、現地調査の際に役立つ優れたツールとして活用されています。

工場の改修工事の際の現調から図面起こしまでのプロセスは次の事例を参考してみてください。
3Dレーザースキャナー活用事例①工場の改修工事に現況の図面が必要な場合
3Dレーザースキャナー活用事例②新設する配管ルートを現況の図面に併記したい
3Dレーザースキャナー活用事例③現況を図面化して今後の改修工事に役立てたい

3Dレーザースキャナーの価格

一般的な3Dレーザースキャナーの価格帯は、400~2,000万円程度とされています。測量で使用される3Dレーザースキャナーの価格帯は700~1,000万円程度です。

3Dレーザースキャナーの製品価格は機能やデータ品質によって異なります。高品質な製品は初期投資は高いものの、長期的な使用に耐えうる品質を持っています。また、メンテナンスやサポート体制の確認も重要です。

機種ごとの価格差は、機能やデータの品質・解析速度によって生じることが多いです。低価格の3Dレーザースキャナーは購入しやすいのが魅力ですが、高価格の3Dレーザースキャナーは、高品質で誤動作の可能性が低く長期間の利用が可能です。

建築物を対象物とする場合、遠距離の精密なデータを取得する必要があるため、機能の充実したスキャナーを選ぶ必要があります。その分適合する製品の価格も高額になりますが、価格と品質、必要な機能のバランスを考慮し選びます。

3Dレーザースキャナーの選び方ポイント

3Dレーザースキャナーを選ぶ際は、次のようなポイントに着目して検討することをおすすめします。

 精度と解像度

精度は3Dレーザースキャナー選びの最重要ポイントです。測定精度や解像度が高いほどより詳細なデータが取得できますが、処理速度にも影響します。用途に応じた解像度の製品を選ぶことが重要です。

長さや繰り返し測定の精度、点群のバラつきなど、メーカーによって基準に違いがあります。工場改修などの現地調査以外の用途に3Dレーザースキャナーを使用する場合、用途を明確にし、目的に応じた精度を確定しておきます。

また、どれくらいの解像度が必要なのかも検討します。解像度が高いほどより詳細な3Dデータを取得することができますが、解像度が高いほどデータは重くなり、処理にも時間がかかります。データ取得からエクスポートの際の速度を重視する場合、用途に応じた解像度を選択できる製品を選ぶことが大切です。

据え置きタイプかハンディタイプか

3Dレーザースキャナーには、手に持って測定できるハンディタイプと据え置きタイプがあります。ハンディタイプは携帯性に優れ、自由度が高いですが、据え置きタイプはより広範囲の計測が可能で、精密なデータ取得に適しています。

主流は据え置きタイプです。据え置きタイプは三脚の上に設置して使用します。機種によっては300mほど先のターゲットへ届くほど、広範囲での照射が可能です。計測対象の裏側のような読み取りにくい部分や1台では照射しきれないほど広い範囲も、複数台の3Dレーザースキャナーを使い、データの合成や座標付けが可能です。

ハンディタイプは手振れしやすいのが欠点ですが、自由度の高さがメリットです。

必要な機能

点群データの着色や3D CAD、BIM/CIMとの連携機能など、目的に応じて必要な機能を備えた製品を選ぶことが肝要です。

3Dレーザースキャナーの中には、内蔵のデジタルカメラで撮影した写真の色データを元に、取得した点群データに着色できるものもあります。着色されると視覚的に分かりやすく、プレゼンの際などに活用しやすいです。

そのほか、点群データの表示や編集に専用アプリケーションを使いますが、3D CADやBIM/CIMとの連携ができると、多角的な解析や表現に利用できて便利です。

3Dレーザースキャナーは多機能なため、どの機能が必要か絞ることが製品選択の基準になります。

価格とサポート体制

3Dレーザースキャナーは精密機器のため、メンテナンスやサポート体制も重要です。補償や修理への対応や消耗品購入時の対応、不具合があったときのサポート体制などについても確認する必要があります。3Dレーザースキャナーを購入後には、長く使用することが予想できます。ファームウェアのバージョンアップなど、サポート体制が充実していると安心です。

3Dレーザースキャナーの詳細はこちらのページをご確認ください。

まとめ:3Dレーザースキャナーは機能とサポートを重視して選ぶ

対象物の空間位置情報を取得する3Dレーザースキャナーは、さまざまな製品があるため、選ぶ際に迷うこともあるでしょう。

その際には、3Dレーザースキャナーを使用する目的や用途を明確にし、価格やサポート体制なども考慮して製品を選ぶといいでしょう。 また、3Dレーザースキャナーを使用した現地調査代行サービスや図面作成サービスを利用するのもおすすめです。慣れた技術者が現地にて測定するため、質の高い調査と図面作成を実現できます。3Dレーザースキャナーの使用頻度によっては、こうしたサービスを活用するのもおすすめです。

こちらのページからお問い合わせができます。

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